コロナウイルスが猛威を振るっています。私どもも、現場が大混乱しています。
研修の事務局さんも、講師も、皆模索しては、計画変更、中止など、大変な状況です。
そのような中、本日は
アフターコロナの研修業界はどうなっていくのか?
アフターコロナに何が起こり、そしてそれにどう備えていくか?
ここを記してみたいと思います。
まずここを押さえていくことで、その備えができると考えます。
目次
1)研修の実施方法のバラエティ化が進む
今回、コロナウイルス対策の過程で、様々な”研修実施方法の変更”が試みられています。
「少人数クラス化」
「席の間を空けて、ペアワーク・グループワークは無し」
「eラーニング・事前撮影した動画活用」
「リアルタイムオンラインで実施」
「研修自体の短時間化」
「個別の学習習得度に応じて、クラスを細分化」
「リアルで用意するが、別途オンライでも参加できるハイブリッド型」
などなど、これ以外にも増えそうです。
今までの集合研修の形は、あまりバラエティがありませんでした。 杓子定規、あるいは盲目的に考えていた方法がありました。
しかし、今回その前提が大きく書き換わります。
何しろ、在宅ワーク、オンラインがこれからは基本となる、もっと拡がっていく可能性が大きく、今までの形の集合研修へ減っていくことが、想定されます。「やっぱり集合型じゃなきゃ!」という前提が崩れるのです。
今までも仮説として考えていたオンライン化、マイクロラーニング化が、今回実施できて、しかもコストが安い、効果もそれほど下がらない、という判断がなされた場合は、間違いなく、今までの方法が前提ではなくなります。いくつかのやり方を用意しておいて、組み合わせる、入れ替える、テストして比較する、などが起こっていくとも想定されます。
2)研修発注者に求められる、意識、スキル、目線が変わる
今まで、多くの研修担当者は、どの研修会社に発注するか、そして受講生の管理、アンケート結果の分析が主な仕事でした。しかし、これからは研修方法の多様化だけでなく、手段とROIの比較、さらには上流工程である、人材育成のグランド・デザインと未来像を踏まえた研修設計がより必要となってくるでしょう。
そして、講師や研修会社の選別についても、より厳しい目線を持っていくことが想定されます。手段によるROI、上流工程から考えた研修設計などの視点で見ると、講師や研修会社、そしてオンライン化サービスの「どこをみて」「どう判断するか」といった”基準””目線”が出来てくると思います。
さらに、ライブ配信をする際の補助者・アシスタントとしての技術、能力があると、なお重宝されることも想定されます。
3)外部フリー講師の選別・集中化が進む
2つの点で、外部のフリー講師には厳しい時代がやってくることが想定されます。
1つは、そもそもの「リアルの集合研修」自体の減少です。
今回、内製化してオンライン化してある程度の成果が出せた、あるいは質が落ちない、ということが証明されると、外部委託して、さらに集合して行う研修とは何か?ということが問われてくると思います。その意味で、より厳しい時代が来ることは間違いないです。
もう1つは、研修担当者の講師に対する目線、つまり視座や視野が上がってくるため、講師の選別がより進む、と想定されます。既に、eラーニングや内製化などで、外部講師のニーズは減ってきています。さらにそこに、講師業を目指すプレイヤーが、ここ数年で増えています。その他、リアルもオンラインも臨機応変に対応出来る講師、ハニーズが高くなることは間違いないでしょう。
講師の大競争時代がやってきているのは間違いないでしょう。ここは、また別の機会に掘り下げてみたいと思います。
4)研修会社も新たな能力・専門性が求められる
講師だけでなく、研修会社に対する役割期待や選ぶ目線も変わってくると思われます。ライブ配信型のファシリテーションに強い研修会社、などというポジションが出てくるかもしれません。講師のカリスマ性、コンテンツの明瞭性、講師品質の安定性、研修会社に対する信頼などの、今までの評価基準に、新しい「軸」が生まれてくるのだと感じます。
5)経営者も採用・教育を放っておけなくなる
人材難の時代がここ5年は続いてきました。今回のコロナショックでは、4月の新入社員の教育ができない!どうやってやるんだ!と大混乱が起こりました。企業経営者にとって、採用と教育は、人事部に丸投げしておけばよかった時代が既に終わっていると言えると思います。
以上、立場の違いから想定される変化をいくつか挙げてみました。
この世代の新人が現場に出ていくにつれて、この時代以降の育成方法が検証されることでしょう。そして、課題を修正し、より進化や発展が生まれてくるものと思います。
強いものではなく、変化対応出来るものが生き残る
まさにそんな時代の到来を感じます。