大混乱の2020年もあとわずか
自身のためにも、少しでも皆様のためにもなるように、総括と展望を記してみました。
目次
【1】コロナに拠る、オンライン化の波
今まではeラーニングや収録動画による研修は、どちらかというと、補足的なもの、あるいはストレートに言うと、二流・傍流のような位置づけを、講師だけでなく企業の犬種担当者も、思っていた節がありました。しかし、今年の4月以降は、「eラーニング、収録動画の活用」が、急激に増えました。そうせざるを得なかった、という状況もありますが、コロナの収束が見えない今、今後も活用は減ることはないと見ています。その影響でしょうか、Udemy、Schoo、といったサービスの利用企業が増えたと聞きました。
そして、ZOOMやWebexに代表されるオンライン会議ツールに拠る「リアルタイムオンライン研修」も、急増しました。弊社の実感(具体的に計測していませんが)、企業個別研修においては、対面リアル研修とオンライン研修の割合は、1.5:8.5と感じています。(時期にもよる変動も大きかったですが)
この点、業界の大手である(株)インソースが、オンライン研修の割合を月別に公開しています。これを見ると、5月に70%超とオンライン比率が急増し、7月にかけて23%とオンラインが減少し、そこから秋にかけて40%弱と再び増加しました。これは弊社の実感と同じ変動傾向ですが、オンラインの割合が弊社のほうが高く感じました。
~数字で見るインソース~月次 – 社員研修,教育 職員研修 人材育成ならインソース
リンク www.insource.co.jp
来年も、この傾向は続くものとして考えています。
つまり、リアルもオンラインも、今後も併用が続く、ということでしょうか。
【2】企業も個人も、それぞれの本質や課題が炙り出された
こうした環境の急変は、我々研修会社、研修講師だけでなく、企業側、人事担当者側にも大きな影響を与えました。この短期間に、やり方を変えるのか、中止してしまうのか、なんどかやれる方法を模索するのか、、このあたりが、企業による方針、姿勢の違いが明確に見えた事象でもありました。色々な事情があるにせよ「あ、そんなに簡単に人材育成を手放してしまうんだ」と感じたことも多々ありました。
一方、それは我々研修会社側にも同じく大インパクトがありました。こんな記事を書いておきながら、お恥ずかしいのですが、自分も3月末、8月上旬と、研修の中止が立て続いた時にはかなり弱気になり、経営に自信がなくなり、暗い顔をしていたことをよく覚えています。しかし、私が加えていただいている「研修会社社長の会」という同業コミュニティがあり、ここで、苦しい中でも背中を魅せてくれる同業先輩の経営者に、かなり引っ張ってもらいました。「あんなに社員たくさん抱えて固定費大変だろうに・・・もっと挑戦しているんだ!」と奮いたたせてくれたのも覚えています。自身の弱さ、課題を痛感しました。全体的には、研修会社としての、法人としての人格、魂がより試されたのではないか、と痛感しました。
そして、講師の方々に対しても同じ様に試された1年だったのではないか、と感じました。SNS等の投稿での「オンライン研修への対応意向」「その意見など」をよく見ていましたし、実際の登壇の様子なども耳に入るもの、ネットから伺えるものがありました。中には、「俺は、オンライン研修は嫌いだ、あんなものは駄目だ!」と鼻から全否定されている講師なども、残念ながらいました。技術的、環境的なオンライン研修への意欲だけでなく、講師の方の生き方、生き様、意気込みのようなものが、このコロナを通じて、露わになったのでは、と感じます。
【3】今後の講師に求められる役割が大きく変わっていく
11月に、小職も一部パネラーとして登壇させて頂いた「講師サミット2020」。ここに一番バッターで登場された、元Googleで人材開発をされていた「ピョートル・フェリクス・グジバチ」氏の講演にアタマをぶち抜かれたことを覚えています。講演で、刺さったキーワードは、私も共感したからこそ残っているものです。いくつか自分なりに翻訳してみて挙げてみますと、、、
1)講師が何かのテクニカルスキルを教える時代はもう終わる
⇒AIがあと何年でテクニカルスキルを教えられるか?逆算してみると・・・
⇒今年のような激変が、今後は内部崩壊的に始まるかも
2)自分を講師という枠組み、ポジションに置いていることが成長を止めているかも?
⇒顧客も自分を講師という枠組みに押し込めている同罪かも
⇒”講師”という肩書が、古くさ~となる時代が来る!?
3)「教える」という価値提供がもう時代遅れ
⇒組織、そこで働くヒトの変化があり、知識やルール徹底のために「教える」ことが大事か?
⇒講師の側から、新しい価値創造、視座視野が必要かも
いくつか、自分なりの言葉に転換していますが、自分が想像していた変化が一気に現実化しそうな、、、一方で、この変化にどう対応していくか!?そんな挑戦心・ドキドキも同じく感じたのでした。もちろん、自戒、自省、そして挑戦の念をこめて。
未来をどう色付け
自分をどう意識付けし
来年の計画に大きな石から書き込む
そんな2020年の年末年始を過ごすつもりです
さあ、いざ勝負!