近年注目を浴びている人材育成手法のひとつであるリスキリング(Reskilling)。このリスキリングを取り入れる企業は年々増加しています。
目次
リスキリングとは?
リスキリングとは、技術革新やビジネスモデルの変化に対応するために、業務上で必要とされる新しい知識やスキルを学ぶことです。
経済産業省の定義によると、「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」とあります。
テクノロジーの進展によるビジネスの変化、加えて消費者の価値観や考え方の変化は、驚くほどのスピードです。企業はこのような変化の流れを理解し、それらに適応しなければなりません。
企業にとっても社員にとっても「生き残り」に欠かせない戦略のひとつがリスキリングと言えます。
リスキリングのメリット
リスキリングの導入により、既存の社員に必要なスキルや知識を習得させることで、人材確保や採用コストの削減に繋げることができます。また、新規事業の展開や国内外の市場への進出に備えることができます。
社員は、自己成長やキャリアアップの機会を与えられることによりスキル向上や新たな価値創出の機会を得ます。
企業は、社員のスキルや知識を最新のものに更新することで、業務遂行の効率化や品質向上も図ることができます。
リスキリングを通じて新しい価値観やマインドを身につけることで、今までにはない角度からのものの見方や発想ができるようになる可能性もあります。
このようにリスキリングは、企業にとっても社員にとっても多大なメリットがある取り組みなのです。
リスキリングの導入ステップ
リスキリングの導入には、企業のビジネス目標を明確にすることが必要です。
企業がどのような成果を達成したいのか、そのためにはどのようなスキルを必要とするのかを明確にします。
次に、現在の社員のスキルを評価します。
「現在はどのようなスキルを持っているのか」
「今後どのようなスキルが必要なのか」
これらを明らかにすることで、リスキリングプログラムの内容を決定することができます。
続いて、社員のスキル評価に基づき、リスキリングプログラムを設計します。リスキリングプログラムには様々な方法があります。社内でトレーニングやセミナーを開催したり、外部研修を活用したり、越境学習の機会を設けたり、など社員が必要とするスキルに合わせて、各種方法を組み合わせると良いでしょう。
そして、リスキリングプログラムを実施した後、企業はプログラムの効果を測定する必要があります。社員のスキルレベルの向上や生産性の向上など、目標を達成できたかどうかを確認し、必要に応じて継続的にプログラムを改善していきます。
まとめ
人材育成に対する課題意識を持つ企業が増えている中、リスキリングの取り組みは今の時代に非常にマッチした手法のひとつと言えるでしょう。
しかし、リスキリングの重要性を理解し、いざ導入しようとすると残念ながら、この新たな取り組み・変化を拒もうとする保守的な人々が一定の割合で現れます。人間は、変化対応が一番ストレスになる生き物でもあり、理解だけはすることができます。
しかし、「この人たちを本当にリスキリングできるのだろうか?」と人事担当者の悩みは尽きません。
こういった導入時の課題について、また改めて(次回以降で)お伝えして参ります。