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コロナでも人気の講師にある1つの特徴
コロナ第6波が、業界をまた襲ってきています。
研修も中止、延期、実施時間の短縮などのマイナス方向の動きが出てきています。
もう2年間もこうした動きが続いているので、良くも悪くも「またか」と冷静に受け止め、さすがに右往左往は、しなくなりました。ただ、ご依頼予定だった講師には、申し訳ない気持ちで一杯ではあります。「また次!」という話を通じてミライを一緒に創っていくようにしています。
さて、こうしたコロナの影響を様々受ける中でも、変わらずに人気な講師の方々にお会いすると色々な気づきがあります。
それは、講師とは「教える」仕事ではない
という点を、理解されている、腹落ちしている、体現されている方々です。
え?
講師=教える
それが役割ではないの?と一瞬思うかもしれません。
しかし、「教えることが先に立ってしまう」=言い換えると教えたがりの講師には、弊害があると最近特に感じるのです。
教えることが優先の講師の弊害
例えば、決められたカリキュラムの全てを、教え込むような、消化することが目的家してしまう教え方になってしまうことです。消化が優先された結果、受講生の気付きや、自分ごとへの落とし込みが、生まれにくくなる可能性が高くなってしまうのです。あれも、これも、とお伝えする結果、受講生には「どれも大事で大切らしい」「どれから手を付けようか、アワワワ」、、、、と整理できず、優先順位付けもできなくなります。
また、その他の弊害として、教えることが優先されてしまうと、受講生は安易に正解をもらったような形になり、受け身になっていきます。効率的に結論や方法論、スキルを教えてられると、次も安易の答えを欲しがるでしょう。また、応用力ある対応や臨機応変に思考を柔軟にできるか、とういと怪しいと思うのです。
そして何より、この学びの目的や必要性、価値、自分にとっての意味などを含めて考え、落とし込むことを怠ってしまう危険性を危惧しています。安易に答えをもらったことで、忘れやすくなる、定着しない、実践活用できない、といった研修の意味があるのか?という問題を生むことになるのです。
特に、今のような不安定な時代、教える=正解だけを教えることは、逆効果になりかねません。VUCAと言われるように、前例が通じない、王道が王道でなくなりつつ有る世の中。正解なんてありません。このような時代に、安易に◯✕とジャッジをしてしまう傾向は、健全ではありません。可能性の枠を狭めてしまったり、安易で希薄な人間関係を生んでしまうことになりかねません。
そして、この「教える」事が目的化してしまう事は、残念なケースとして、自分中心になって”自己陶酔”してしまう講師の方もいらっしゃいます。
実は、この点、私自身が一時期はまっていた落とし穴でした。
受講生が何も知らない、困っている、だったら「こうするんだよ、、、できるようになったでしょ」とついつい力が入りすぎてしまったのです。その当時は、悪気なく、良かれと思ってやっていました。
この講師が「教えること」を勘違いしてしまうのは、自分ではその姿に気が付かないことが多いので、厄介な問題です。知らないから教えてあげたい、早く受講生の役に立ちたい、という”良かれ”という想いがあるからこそ、課題として認識しにくい。そして自分ではその姿に気が付きにくいものです。
私の場合は、有り難いことに、クライアントからの貴重ながらも痛いフィードバックを頂けたこと、これが気づくキッカケでした。クライアントさんから「もう少し考える時間を設けてはどうか?」、「受講生が受け入れるのを待ってみてはどうか」と提案いただいたのです。そこで、受講生の様子を少しずつ観察していきました。すると、、、はい、もうご説明は不要ですね。こうして私は「教えすぎの弊害」に気がついていったのです。
今思えば、「教える」という、なんだか良いことをしている自分を正当化していた、という、なんともまあお恥ずかしい、私の痛い経験でした。
企業から選ばれる人気講師の特徴とは?
では、逆にお客様から依頼が多い講師はどんな事を考えているか
講師という仕事についての、ミッション、仕事感がより高いレベルにある、と思います。
「個人や組織の問題を解決してあげたい」
「受講生にいくつかの選択肢を渡すこと」
「人や組織に向かい合うこと」
こうした彼らなりの言葉を持って、講師というROLL(役割)を果たしています。
その中で、教えることを、その場、その時に応じて、チューニングしているように感じます。
しっかり教えることが必要な時と、教えることを手放す時
これをしっかり意識して受講生やクラスを観察し、調整しているのです。
こういった姿勢と行動が受講生やクライアントから高く評価される点なのだと思います。
『教えることは、手段であり、それが目的ではない』
今一度、講師という仕事の「定義」「ミッション」「ロール」を問い直してみるのも良い機会となるはずです。