■人的資本を超えた概念「知的資本」
人的資本経営への取り組みが加速しています。
経営資源の中で、ヒトという資産を、どう活かして価値創出していくか。
そして、その取り組みや成果を見える化し、実践を促進していくものです。
しかし、経営資源には、財務資本と人的資本以外にも、知財やブランド力といった”組織の力”、またブランドや顧客との信頼といった”関係性の力”があります。また会社は周囲の社会や自然という”社会資本・自然資本”も活用しています。これらすべての概念を包括するものが「知的資本」であり、それを活用するのが「知的資本経営」です。
また、現在の経営モデルの目的が”株主価値=財務資本の最大化”であるのに対して、知的資本経営の目的は、こうした知的資本を最大化し社会に貢献するという、「パーパス経営」そのものです。
こうした知的資本経営の概念は、「統合報告書」のベースとなっています。つまり、すでに皆様もこの知的資本経営を活用されているはずです。
■人事・HR担当者こそ知っておくべき「知的資本」
知的資本経営は、経営者だけが知ればよいものではありません。
パーパス実現を目指すためには、人的資本としての従業員や組織でのパフォーマンスも当然含まれますし、それ以上に従業員や組織が生み出す顧客とのつながり、暗黙知、知財、ブランド、文化、価値観といった知的資本が関わります。
そのため、人事、人材育成、コーポレート企画に携わる方々も、知的資本経営とは、知っておくべき視点・考え方なのです。
今回のセミナーでは、この分野の第一人者であり、「知的資本経営」の共著者である
立命館大学経営管理研究科(4月から赴任予定)の 河瀬 誠 教授をお招きして、その概要と意味、人材育成にどう活用するか、といったお話を伺います。