大手商社さま

人事部
グループ会社人事部

部長、課長、担当者

ツギハギで作ってきた教育体系
AI・DX時代に合わせた・これからの時代を先取りした
教育体系・内容・実施方法に刷新

Before

  • 教育体系の見直しをしたいと思っていたが、指針や方向性が見えていなかった
  • 子会社、関連会社の育成担当のレベルがアップデートされていなかった
  • 「キャリア自律」的な育成を取り入れていきたいが、どこから始めたら良いか分からなかった

After

  • AI時代に必要な人材育成の領域や、他社の先進事例を知ることで自社が進むべき方向が見えた
  • 子会社の経営層、人事を含めて「人的資本経営」の課題や目指すべきゴールを共有化できた
  • 費用と効果を鑑みて、必要な集合研修、eラーニング、越境学習などのコース設定や運営方法が明確になり、経営層にも自信をもって提示できた

お客様の課題と弊社のご支援全体像

今回ご紹介するお客様は、大手商社さん。弊社とは、ホームページのお問い合わせを初めていただき、何度かディスカッションを重ねていく中で、当社と他社を比較された上で、弊社に本格的にご依頼いただきました。

そこでお聞きしたお話は、経営層から「人的資本経営」の対応を具体的に進めよ、と指示が下っているが、社内だけでは何から手を付けるべきか、そして課題も方向性もまとまらない、というものでした。

また具体的な面では、明らかに研修コースの中で重複や時代遅れのものが一部あり、そして職階ごとの研修コースの一貫性やシナジーが効いていない、また実施方法も、集合研修とeラーニングだけしかない、という課題をお持ちでした。

また、本社だけでなく、事業会社、子会社なども、その危機感や課題を理解してもらいたいが、本社の人事からの通達や指示だけでは、中々伝わらない、というお話もありました。

こうした社内での課題に対して、人事部の方とタッグを組み、自社の今後と教育体制を見直すことになりました。最初に着手したことは、人事部内での課題や方向性の共有、目指すゴールの明確化から着手することになりました。

ご提供サービス①:人事部内での「教育体系見直しワークショップ」

教育体系を見直していくために、人事部メンバー10名弱対象のワークショップを実施しました。

まずは、教育体系を見直すというゴールを設定しながら、人事部内メンバー内が各自バラバラに持っている課題感や優先順位などの、共有から始めました。どの研修が不要なのか、どんな研修が必要になってくるのか、それはどの階層から、どの時期に実施するのか、今までのやり方でいいのか・・・こういった基本的だけど、とても大切なこと、そして普段は日々の業務に追われてメンバー同士語り合うこともない事から、始めて行きました。

このワークショップを行う上で留意したことは、「素直」「本音」を言い合える環境です。遠慮したり、気を使ったり、個人的な感情などで大事な議論ができないことがないように、そこを注意して、弊社ではファシリテーションを進めていきました。

また、社内視点に閉じこもってしまうことのないよう、社外の事例や未来の予想図なども踏まえて、環境分析から、マーケティングアプローチを使いながら、これからの自社にとって必要な「人材像」「能力要件」などを洗い出していきました。

この能力要件に対して、どんな知識・スキル・マインドが必要か、そしてそれはどういった研修メニューが必要なのか、といった形で、教育体系に落とし込んでいきました。このとき、既存のコースを意識せずに(棚上げして)まずは、理想像を作る、ことに専念しました。既存コースとの調整は、後で(セカンドステップ)で行う、としたのです。

この能力要件から教育体系に落とし込む過程は、最初は先が見えない状態でしたが、1つずつ整理し、優先順位を付けてリサーチ&ディスカッションを繰り返すことで、後半は一気に形が見えてきてスピードアップしていきました。

ご提供サービス②:グループ会社向け「人的資本経営対応セミナー」

並行して着手したことは、グループ会社の温度感を上げる、危機感を醸成していくことでした。

本社では、経営側から「人的資本経営」への対応が厳命されているが、どうにもグループ会社は、対応の意識や行動などが、遅れている、そいうった課題でした。

そこで、手始めてにご依頼いただいたことは、グループ会社の経営層、人事担当者向けに、「これから求められる、人的資本経営の対応について、必要性やファーストステップとして何を取り組むか」をお伝えするセミナーを実施しました。

初回のセミナーは1.5時間ぐらいで、危機感や必要性を意識付ける内容に、そこで課題を出し。各社の人材育成課題を調査レポートしてもらいました。2回目以降は、ワークショップ形式で、参加者同士「何から手を付けるか」「どうやっていくか」という。主体性(当事者意識)を持って考えていただき機会を設けました。

結果、各社で取り組む施策、ロードマップなどが決定し、本社と協力しながら進めていくことが決定されました。

ご提供サービス③:研修会社オリエンテーション・評価会議への参加

研修体系がリニューアルされ、新たな研修の企画設計において、研修会社や講師へのオリエンテーション、提案依頼の機会が発生いたしました。そこで、弊社が取った支援スタイルとしては、このオリエンテーション、提案の機会に応募、参加するのではなく、クライアント側のアシスト、具体的には、発注支援、提案内容の精査、判断のご支援などをすることにいたしました。

まずは、各研修コースの「発注仕様書」となる研修企画の詳細を詰めていきます。弊社が持っている、インストラクショナルデザインの視点、考え方をお伝えしながら、「対象者」「目指すゴール」「ビフォー・アフター」「インプット/アウトプット割合」などを設計していきました。

これらの仕様書をもとに、研修会社や講師にオリエンテーションしていただき、研修の提案を挙げて頂き、その内容を精査する、審査する側でご協力いたしました。評価表を作成し、各社の提案を並べていき、最終判断をする評価意義をファシリテーションさせていただきました。

これらのプロセスを経て、クライアント様では「研修を依頼する、評価する視点が向上した」というお声を頂きました。

ご提供サービス④:“反転学習”型研修の一部導入・効果検証

新しい研修体系の中でも、新しい研修実施方法を導入するにあたりBrewにも1つ研修を企画実施をご依頼いただきました。それは、私どもが、「教育体系見直しワークショップ」を実施しているときにお伝えした「反転学習」での研修の実施でした。

「反転学習」とは、通常は集合研修時にインプットし、研修後に実践する=アウトプットするという形をひっくり返し(反転させ)、事前学習でインプットし、集合研修時はワークや演習中心に行う(アウトプット)するという実施方法です。

この時は、事前学習を特別に講師が用意した1時間にeラーニング動画で行い、事前課題も動画で提出し、講師もそれを採点しておき、集合研修では、ケーススタディやグループワークなどの実践を中心に行う形で実施しました。

そして、この研修においては、効果測定として研修後アンケートだけでなく、その後の実践度合いなどを聞き取りやインタビューなどを活用して「反転学習」での学習効果を測定しました。結果、知識の定着度や、行動実践度合いが高まる、という結果を残すことができました。

Brewが留意した点

今回のお客様に、弊社が留意した点は、以下の3点とです。

【1】人事部メンバーのコンフリクトを前向きな方向で活かした

人事部メンバーやグループ会社との間には、問題意識や課題の優先順位、1つ1つの研修に対する思い入れなどが異なっていました。ワークショップ開始当時は、これらの相違が議論を進めるにあたっての障壁だと思われていました。しかし、こうしたコンフリクトを歓迎し、それを活かす!という視点にファシリテーションの根幹を据えて進めることを、全員に徐々に理解いただくことに腐心致しました。その結果「何でも吐き出して良い」という心理的安全性を担保して進めたことにより、人事部メンバーの意識の共有、方向性の統一などを高めて進めることができました。

【2】社外人材ゆえの「甘辛」トーンで、危機感と推進機運を醸成した

今回の私どもの役割は、クライアントが自らが決めた路に進んでいくこと。そのためには、時には厳しい現実や未来像を伝えながら、危機感を醸成し、時には明るい検討材料や考える視点をお渡ししたりメンバーを励ますなど、甘辛の両面を意識して、ご支援させていただきました。結果、社内では役職や先輩後輩、部署ごとの違いなどもあって、伝えにくいこと、指摘しにくいことも、意思疎通を図る潤滑油として、お役に立てたのではないか、と思っております。

【3】必要な点はロジカルにエビデンスを提示して納得度を高めた

上記したように、ファシリテーションを行うだけでなく、他社の成功事例や業界情報、インストラクショナルデザインなどのロジック、考える視点などをご提供させていただきました。ただし、答えを出すのは、クライアント!と決めていました。決して、導かない、選択肢は渡すけど、こちらで決めない、そいうったスタンスでのご支援に徹しました。

これは、Brewという会社のスタンスそのものだと思っております。